自転車で行く、京都の交通安全ご利益めぐり

[voice icon=”https://e-cycle.kyoto/wp-content/uploads/2017/06/eguchi.png” name=”スタッフ江口” type=”r line”]今日は、交通安全の御利益を授かれる京都のお寺と神社を巡りましょう![/voice]

狸谷山不動院

京都駅を出発し、鴨川の遊歩道を走ることおよそ50分。いまやラーメンのまちとして名高い一乗寺界隈を通り抜ければ、そこにそびえるは立派な激坂。今日の第一目的地は、この坂の上にあります。

美味しい日本料理をいただける「はせ燦」のすぐ脇を通り抜け、金福寺、北山別院、詩仙堂といった洛北の寺院の空気を感じながら、八大神社まで自転車を漕ぎ進めます。登り坂ではありますが、ここまではきっと大丈夫。

しかし、ここから先は無理。坂道の角度が、急に上がります。

仕方がないので、ここは自転車から降りて、歩きましょう。とはいえ、歩いても相当ハードな坂道ですので、途中休憩を挟みながら、焦らずに。10分ほど歩けば、自動車のお祓い場所に到着です。

京都ですれ違う自動車には、ここのお寺のオレンジのステッカーが貼ってあることが多いのです。だから、交通安全のご利益巡りには欠かせない場所ということで、最初の訪問地にしてみました。いきなりハードな運動をさせてしまって、ごめんなさい。

自動車のお祓い場所への入り口。

お祓い場所の一角に、駐輪場を設けてくださっています。

きちんと整備された無料の駐輪場。

ここで、一度お寺の全体図を眺めてみましょう。

駐輪場のすぐ脇に設置されていた、お寺全体の案内図。

今いる場所は、車のお祓い場所。まだまだ道は続きます。ここから、坂道と階段を15分くらい歩くと本殿に到着。階段は250段、登りごたえがありますね。早速出発です!

階段の途中には、どれくらい登ったのかがわかるように、手作りの看板が置いてあります。

たぬきが、現在地を教えてくれる。

不思議な神社にお参りしたり、たぬきの焼き物に見入ったり、弘法大師さんの像に迎えていただいたり、250段の階段はとても愉しく歩けます。

この階段を登れば、本殿を拝める。

ほぼ階段を登りきったところで、本殿が見えてきます。崖にへばりつくように建てられている様子は、清水寺によく似ています。

崖にへばりつくように建てられた本殿。

こういう造りのことを「懸造り(かけづくり)」や「懸崖造り(けんがいづくり)」などと呼ぶのだそうです。とてもおもしろいサイトがを見つけたので、紹介しておきますね。
http://www.geocities.jp/kakezukuri/

本殿が見えてからは、階段は二手に分かれます。片方が緩やかな角度で、もう一方は急。行きは緩やかな方を使い、帰りは急階段を降りて返ってくるのが順路です。我々もその指示に従いましょう。

緩やかな方の階段を登って、いよいよ本殿へ。入山料500円を入れる木の箱がありますので、お釣りのないように用意しておくとよいですね。静かに手を合わせて、交通安全を心から願えば、今日の最初の目的は達成です。

本尊の不動明王は、毎月3日・16日・28日のそれぞれ午前11時から開催される「護摩木祈願祭」の時に参拝が可能です。高野山の方角を向いているという不動明王さま、ぜひご縁を結んでみてくださいね。
http://www.tanukidani.com/blog/狸谷不動明王の目線/

帰りに、ステッカーをいただいて、これでもう鬼に金棒です。

念願の交通安全ステッカーを手に入れた。

250段の階段を健康増進に活かそうというおもしろい取り組みもされています。

KENKO250と題された健康企画。手作り感がにじみ出ていて、嬉しい。

狸谷山不動院
京都市左京区一乗寺松原町6
075-722-0025
9:00~4:00
http://www.tanukidani.com/

須賀神社(交通神社)

狸谷山不動院に心身ともに大満足した後は、次に須賀神社に向かいましょう。須賀神社は、別名交通神社とも呼ばれています。

必死の形相で歩いてきた激坂は、細心の注意をはらいながらゆっくりと。こんなところ事故を起こしてしまったら、元も子もありませんからね。

白川通のファミリーマートのある交差点を南に曲がり、ひたすら白川通を下ります。今回は幹線通りをまっすぐ走りますが、時間に余裕のある方は幹線通りを避けて少し細い道路を走ってみるのも一興です。素敵な景色に出会える可能性が高まります。

白川通を丸太町通まで走り、そこで西に舵を切ります。岡崎神社や岡崎別院の前を通って、少しだけ北へ折れたら、須賀神社に到着です。

須賀神社(交通神社)の鳥居。

須賀神社は、節分の日だけに配られる懸想文(けそうぶみ)でも有名な神社さんです。

須賀神社(交通神社)の由緒。

私は、交通神社を須賀神社の別名だと思っていたのですが、改めてお参りしてみると、須賀神社の神様と交通安全の神様は別に祀られています。調べてみると、かつては一緒に祀られていたものを、昭和39年に分祀したのだそうです。

本社の方に申し訳ない気持ちもありますが、今回は交通神社の方をメインにお参りいたしましょう。

交通神社。

須賀神社
京都市左京区聖護院円頓美町1
075-771-1178

粟田神社

次は、粟田神社へと向かいます。

粟田神社への道中は、平安神宮の脇を流れる琵琶湖疏水沿いを走ります。とても気持ちのよい道路です。琵琶湖疏水というのは、琵琶湖から京都までを繋ぐ人工の水路のこと。昨年の春、琵琶湖から京都までこの疎水沿いに走ってみたら、いくつかのトンネルを経て本当に繋がっているのを実感できました。

粟田神社は、京都の東の出入り口である粟田口(あわたぐち)に位置しています。それゆえ、東山道や東海道を使って旅に出る人々がお参りに訪れることが多く、結果として旅の安全にまつわる神として京都で定着するようになった。そんな神社です。

粟田神社の鳥居。

最近では、ゲームの世界で有名になったそうで、若い女性が書いたと思われる絵馬がたくさん奉納されていたのも印象的です。

粟田神社界隈には、平安時代から室町時代にかけて刀の職人さんが数多く住んでいたのだとか。その証拠に、粟田神社の境内に鍛冶神社という小さな祠があり、三条通の北側には相槌稲荷大社という神社もあります。

最近は、ゲームの世界の「聖地巡礼」の場所として若い女性からの支持も集めているらしい。

粟田神社
京都市東山区粟田口鍛冶町1
075-551-3154
http://awatajinja.jp/

輪形地蔵

最後に、京都駅にほど近い輪形地蔵に向かいましょう。

輪形地蔵への道中は、古川町商店街をゆっくり散策してみます。商店街が醸し出す独特なレトロ感と、わたがし専門店などの今風なお店がうまく融合している様子が、大好きです。

http://www.furukawacho.com/

その後、祇園や建仁寺を経由して、輪形地蔵へは30分ほどの道のりです。

輪形地蔵は、正行院の門前にあるお地蔵様。正行院は猿寺と通称されています。

かつて、輪形地蔵の付近を走る東洞院通は伏見方面と洛中を結ぶ主要道路でした。人間の往来はもちろん、荷物を背負った牛車もたくさん走っていました。しかし、道路は土。雨が降るとぬかるみ、牛たちはその歩みを進めるのに難儀したそうです。

そこで、西暦1735年ころ、道路に石を敷くことにしました。そして、その石には牛車の走行を助けるために凹型の轍を作られました。それが「輪形」の名の由来です。

時代が流れ、牛車による荷物運送が衰退すると、その石は撤去されることになります。今、輪形地蔵の前に展示されている石はその当時から受け継がれる貴重なもので、往時の名残りを私たちに伝えてくれています。

東洞院通に敷かれていた石。牛車の走行を助けるため凹型に削られている。

ある日村人が寝ている時に夢を見た。そのお告げに従って、道路に敷かれた石の一つを掘り起こした。そうしたら、その石が実はお地蔵様だった。そこで、そのお地蔵様を輪形地蔵として祀ることにした。そんな言い伝えが残っています。

円滑な交通のために敷かれた石から誕生したお地蔵様なので、村の人たちは交通の安全を守ってくれる存在として崇め、それが現在まで引き継がれているのです。

輪形神社の案内板。

お賽銭を入れるために小さく開けられた隙間から、ほんの少しではありますが、お地蔵様を拝むことができます。

地蔵尊の前には「交通安全」の提灯も。

ここで、今日4回目の交通安全祈願をしましょう。

これで、狸谷山不動院から、須賀神社(交通神社)、粟田地蔵、輪形地蔵と巡ってきた、今日のツアーを終えましょう。

輪形地蔵
京都市下京区東塩小路町744(東洞院通塩小路下ル東入)
075-351-7885

まとめ

以上、「自転車で行く、京都の交通安全ご利益めぐり」でした。

レンタサイクル店でお客様とお話をしていると、「あの道、きれいなんだよな」「こっちのルートで行くと、もっと快適なんだよね」などと、お客様にお伝えしたいことがたくさん頭の中を駆け抜けます。けれど、地図では読み取りにくい細い道や曲がる場所のわかりにくい道は、どうしておご案内しきれず、ごくごく一般的なルートをお話してしまうことがあります。

何度もそのような思いを重ねるうちに、ブログ上に仮想のサイクリングツアーをレポートすれば、それを頼りに今より快適な自転車観光をご提供できるのではないかと考えるようになりました。

今回が、その第一弾です。

もし、今後、京都で交通安全にまつわるお願いごとをしようと計画される方に、この記事が少しでも役に立てば嬉しく思います。

ちなみに、私たちのレンタサイクル店は、最後に巡った輪形地蔵のすぐそばにあり、かつてたくさんの牛車が走っていた東洞院通に面しています。

そして、お店の前には、輪形地蔵の前にあったものと同じ凹型の石が置かれ、案内板が掛けられています。長年交通の要所とされて大切にされていた場所にご縁をいただき、このようにお店を営業させていただいていること、とても嬉しく思います。

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